「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」を観て

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 今回も前売り券を買って観ました。早くから前売り券を買ってたのに、観に行ったのは3月になってから。時間をとれないうちにロードショーが終わってしまわないかとひやひやしました。
 で、映画を観てちょっと思ったことなどをここに書きます。
 映画を観る前に原作を読みたかったんですが、今回も、まだ途中までしか読んでいません。ほとんどは映画のみの感想と思ってください。


・原作にあった傷心のサルマンとガンダルフのやりとりは、三作目まわしかと思ったら、省略されてしまっていましたね。サルマンが敗れたまま全然出てこないのは、ちょっと物足りない気がしました。

エオウィンは強いですね。飛竜(っていうのか?)の首を叩き斬ったうえ、ナズグルの王までやっつけちゃうんですから。
 黒門を攻撃するとき、彼女は当然のように参戦していましたが、もはやだれも反対できなかったのでしょう。

・それにしても、「人間の男には倒せない」なんて言って安心しているなんて、ナズグルはマヌケですね。だって、この戦争、人間の女一人、エルフ一人、ドワーフ一人、ホビット二人、死霊大勢と、「人間の男」じゃない人がずいぶんたくさん参加して、サウロン軍と戦っているんですが……。
 例外がこんなにたくさんいるのに、無敵と信じ込んで自慢しているのがフシギです。人間の女と死霊は計算外としても、エルフとドワーフとホビットが敵軍にいるのは知っているはずなのにね。
 仮にエオウィンが参戦していなくても、レゴラスあたりがやっつけちゃったんではないでしょうか。
 もっとも、「人間には倒せないがエルフなら倒せる」よりは、「男には倒せないが女には倒せる」のほうが、痛快でおもしろいですが。

レゴラスも強かったですね。これまでも強かったけど、今回はとくに、あのゾウのでかいやつに乗り込んで、一部隊全滅させてしまうところが。
 まとめて「一人」と数えろというギムリの主張は、ちょっとあんまりですね。もっとも、あれは、ギムリ流の称賛という気もしましたが。

・レゴラスとギムリのやりとりが印象に残っています。セリフの記憶はちょっとあやふやですが、ギムリが「エルフの隣で死ぬなんて」というようなセリフを言ったとき、レゴラスが「友の隣なら?」と聞き返し、「それならいい」(「悪くない」だったっけ?)というような答えを返すところ。いっしょに死んでもいいほどの熱い友情になってたんですねー

・アラゴルンはエオウィンの求愛を拒否するのに、「あなたは幻影を見ているだけだから、受け入れられない」というようなことを言っていましたね。エオウィンがアラゴルンの武勇に惹かれている点を言ってるんでしょうけど、しかし、「わたしには婚約者がいるから」とほんとうのことを言わず、ふる理由をエオウィンのせいにするのはずるいですね。
 それなら、エオウィンが幻影を見ているんでなければ、アルウェンと別れてエオウィンとくっつくのか?……と、ツッコミを入れたくなりました。
 アラゴルンは大好きですが、女性に対する態度は、臆病で、はっきり断れない人という気がします。(あくまで映画のアラゴルンの話ですよ)

・アルウェンは、結局、未来の息子のために残ったんでしょうか? アラゴルンひとりなら見捨てたとか?

・裂け谷のエルフで戦い途中の船出のときに残ったのは、エルロンドとアルウェンだけみたいですが、あの剣、エルロンド自ら鍛えたんでしょうか? だとすれば、アルウェンに言われて鍛冶屋みたいなことをしたり、パシリをしたり、おとうさんは大変ですね。
 エルロンドは、母親に逆らえず、娘にも逆らえないという気がしないでもありませんが……。女性の発言権が強い家系なんでしょうか?

・デネソールは、ガンダルフがファラミアを助けようとしたはずみで死んだのでしょうか? なんだか、ガンダルフがキレた勢いで故意にデネソールを殺したように見えたんですが……。考えすぎ?

・デネソールの側近って、命令のままにデネソールとファラミアに火をつけようとしましたが、なんてああ言いなりなんでしょうね。いや、封建社会で家来が主君の言いなりってのは珍しくないにしても、ファラミアは後継ぎなんですから、生きているかもしれないと思えば、ふつう、ためらうのでは? 側近たちもデネソール同様、おかしくなっちゃってたんでしょうか?

・ファラミアは大ケガをして昏睡状態だったのに、手当ても受けずに目を覚ましましたね。前作のアラゴルン並の頑丈さで感心しました。あのあと手当てを受けたんでしょうか?

・原作になかったフロドがサムを疑うエピソード、説得力があって好きですね。親代わりのビルボが一時的とはいえおかしくなったところを見ているし、ボロミアがおかしくなったところも見ているわけですからね。サムの本来の人柄は信頼できても、指輪がからめば疑わしく見えてしまうっての、わかります。目にした者の心理に影響を及ぼすアイテムですもんね。

・フロドは指輪の誘惑とずっと戦いつづけていましたが、サムは指輪を持ち歩いても全然影響を受けていませんね。ひょっとして、フロドよりサムのほうが指輪所持者として適任だったのでは……と思ったのは、わたしだけでしょうか。それとも、サムは指輪を持ち歩いた時間が短かったので影響を受けなかっただけ?

・とうとう救われずに火山に没したゴクリが哀れでした。でも、結果的には、ゴクリのおかげでフロドは使命を果たせたという気もするんですが……。

・ゴクリは今回は悪役みたいになっちゃっていましたね。前作でフロドのことを「いいダンナ」と言っていたスメアゴルの人格まで、フロドに殺意をもっていますし……。
 前作では、フロドとサムの前だけでなく、フロドとサムが眠っているあいだの二重人格の対話みたいな場面でも「いいダンナ」と言っていたのですから、まったくの偽りってことはないと思うんですけど。
 そのうち、スメアゴルの人格をテーマに、パロディ小説を書いてみたいと思っています。

・サムはあまりメンクイじゃなかったんですね。フロドへの忠実さとか、エルフにあこがれているところなんかから、なんとなくメンクイだと思ってたんですけど。

・ラストの船出のシーン、立場的に、アラゴルン&アルウェン夫妻が見送りにきていてもよさそうなもんだと思いました。原作はどうでしたっけ? フロドの出発は知らなかったにしても、エルロンドやガラドリエルが船出するのは知っていたはずだし、親族なのに。来るなって言われたのかな?


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