小説書きの安眠法 2002年9月25日UP
眠くなってふとんに入ったのに、なかなか寝つけないってこと、ありますよね。わたしはそういうとき、書いているとちゅうのページ配分を考えることがよくあるんです。この場面に何ページ、この場面に何ページ……というふうに。
なぜか、とちゅうで眠ってしまいます。べつに、眠るためにじゃなくて、目がさめちゃったんならちょうどいいから、ページ配分してみようと思って数えるだけなんですが。ページ配分は、書いているうちにどんどん予定が狂ってしまうもんでね。
1ページ、2ページ……。これって、ひょっとして、「ヒツジが1匹、2匹……」と数えるのと同じなんでしょうかね?(立川)
古代エジプトの固有名詞について 2002年5月24日UP
のっけからマニアックですみません。じつはこれを書きたくてつくったコンテンツだったりして……。
ずいぶん前に「太陽神の娘」(上・下巻)という古代エジプトものの小説を書いたときに気づいたことで、下巻のあとがきと重複するのですが……。
この小説、上巻を書く時点で、「ナイル」はギリシア人がつけた名称だと知ってたんですね。ナイル川は、古代エジプトの言葉では「ハピ」なんです。固有名詞というより、「川」の意味だそうですが。
で、新王国の首都テーベを出す時点で迷いました。「テーベ」とは、いかにもギリシアっぽい感じがしたので、ギリシア人がつけた名前ではないかと思ったのですね。調べてもわからなかったので、都の名前を固有名詞で出すのを避けました。首都なら「都」ですみますしね。
そうしたら、あんのじょう、下巻を出すちょっと前にたまたま読んだ本で、「テーベ」はギリシア人がつけた名前だとわかりました。テーベの本来の名前は「ネウトアメン」だそうです。なんだか、テーベよりネウトアメンのほうがかっこいい気がします。
これだけならよかったんですが……。
エジプト関係の語には、ほかにもギリシア人がつけた名前がいろいろあることがわかったんですね。
まず、そもそも「エジプト」からして、ギリシア人の呼称から転じたもので、古代エジプト人は「ケムト」とか「ケメト」とよんでいたそうです。
また、「ファラオ」は、エジプトでは「パルオー」だか「パラオー」だったそうです。これをギリシア風に発音したら「ファラオ」になるそうです。
「エジプト」と「ファラオ」は上巻で使ってましたから、困りましたね。さいわい、「エジプト」を上巻で使ったのは地の文だけだったので、それでいくことにしました。「ファラオ」はもうそのまま使いました。
やっかいですよね、こういうの。べつに当時の言葉にこだわらなければいいんですが。「パラオー」なんて頻繁に使ってたら、なんだか妙な気もするし……。
で、こういうことがわかった本なんですが……。残念ながら、メモしてなくてわかりません。図書館でパラパラ読んでいた本なので。たしか、ピラミッドについての異色な仮説を書いた本に余談として載っていたように思うのですが……。その仮説はともかくとして、固有名詞に関しての記述には信憑性があるように思いました。「エジプト」が本来は「ケムト」だというのは、それからだいぶんあとで読んだ本でも見かけましたしね。参考文献として紹介できなくてごめんなさい。(立川)