コピー本のヒント

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 2005年9月8日UP


 2003年冬コミ合わせから2005年夏コミ合わせまでに、コピー本を全部で5種類発行しました。で、それについて気づいたことです。

 5冊のうち3冊は、インクジェットプリンターのモノクロ印刷の表紙にしました。カラーインクが切れてしまったというのと、「濃いめの色の紙に黒刷りってのもいいな」と思ったからです。
 うちのプリンターが黒は顔料系インクだからかもしれませんが、モノクロ印刷はけっこういい感じです。カラー印刷は、インクジェット専用紙以外だといかにも 「インクジェットプリンターの印刷」という感じになりますが、モノクロ印刷だと、一般の特殊紙を使ってもオフセットと見分けがつきません。コピーと違って、凹凸のある紙にも印刷できますしね。
 ベタが多いと、ひょっとするとインクが出すぎたりして扱いにくいかもしれませんが、太めのタイトル文字や罫線、写真などは支障ありませんでした。
 ただし、一般的な染料系インクのプリンターの場合、どういう仕上がりになるのかはわかりませんので、本文の文章などを印字したときの感じから判断してください。

 5冊のうち2冊は、ワープロ専用機を使いました。ワープロ専用機だと、メタル系のインクリボンを使って箔押し風にできるんです
 ただし、ワープロ特有の筋がどうしても入りがちです。あと、ワープロ専用機は、少しでも凹凸があったり、ザラザラしている紙だと、モロモロした感じになります。モロモロした感じにしたければ別ですが、そうでなければ、熱転写用紙や色上質のような凹凸がなくて木目が荒くない紙を選んだほうがいいでしょう。
 きれいに印字できるかどうかは、試してみないと判断が難しいです。
 以前にクラフト紙を使ったときには、上質紙に比べて少しざらざらしているように思いましたが、きれいに印字でき、お客さんに箔押しとまちがえられたりもしました。
 でも、即売会で買った黒い紙に試し印字してみたところ、モロモロして汚くなったので、その案はやめました。表面のなめらかさはクラフト紙と同じぐらいに思えたんですけどねえ。
 字の大きさとかもあったのかもしれません。クラフト紙に印字してうまくいったときには、だいぶん小さな字(ポイント数は忘れましたが、本文印字と大差ない大きさ)でしたから。

 今回は、1冊は熱転写用の名刺印刷用紙(一部を使ったあとだいぶ残ってたんです)、もう1冊は紙がかなり厚手のオフメタルなのでシール紙に印刷しました。かなり前、オフメタルにワープロで直接に印字した表紙の本をつくったこともあったのですが、印字が少しモロモロした感じになりましたし、今回使った紙はワープロでは無理そうな厚さだったので、シール紙にしました。
 シール紙使うと、どうしても手作り風になりましたが、まあOKかな。厚手のオフメタルを使いたい場合、ほかにしょうがないですしね。直接印字はインクジェットプリンターでもワープロでも無理だし。
 この本、はじめはもっとふつうの特殊紙(変な言い方ですね)にインクジェットプリンターで直接印字するつもりをしていたのですが、買い置きしていた金色のオフメタルを急に使いたくなったんです。

 熱転写用の名刺印刷用紙は、黒のインクリボンと金色のインクリボンの2色刷りです。文字は黒で飾り系は金色。さすがに熱転写用の用紙を使うときれいに印字できました。それでもワープロ特有の筋は入ってしまいましたが。
 2色刷りは、まず2色合わせたデザインをつくってからフロッピーに保存し、黒で印字するときには飾り罫を消し、金色で印字するときには文字を消すという方法を取りました。これだと位置をうまく合わせられます。

 この名刺印刷用紙を使った本は、文庫サイズです。正確には、文庫サイズより微妙に小さいサイズです。A3用紙に片面8ページずつまとめてコピーしました。
 文庫サイズやB7サイズの本をつくりたい方のために、面付けを載せておきます。
 いずれも紙の下半分は上下が逆転しています。文字を逆にできないもんで……。
 紙の中央がページの下、端が上になる面付けです。ページ数は本文1ページからはじまり、表紙こみ20ページ(本文16ページ)、右とじ(縦書きの本のとじ方)、中とじ製本の場合です。
 最後に化粧断裁が必要になるので、仕上がりは文庫サイズまたはB7より少し小さくなります。
 縦横の比率がおかしいのは無視してください。表を使って作図したもので。

1.まったく切らずに折って中とじにする場合


1
 

16

13

4


8

9

12

5

 


3 

14

15

2


6

11

10

7

・1ページの裏に2ページがくるように両面コピーします。
・折るときは、つねに1ページ側が外側になるように、ふつうに八つ折りにします。
 まず16ページと13ページの間、次に1ページと8ページの間、最後に1ページと16ページの間を山折りです。
・この面付けは、切ってから折るより簡単ですが、ページによって印刷面が左右上下にずれる、いわゆるがたつきが多少出やすくなるかもしれません。
・表紙をつけてホッチキスで中とじにし、重しでぺったんこにしてから、3方(上辺の紙がうまくそろっていれば2方)を化粧断裁します。

   2.半分に切ってから中とじにする場合


1 

16

5

12


4

13

8

9

 


11 

6

15

2


10

7

14

3

・1ページの裏に2ページがくるように両面コピーします。
・紙を二つに切ります。16・13ページと5・8ページの間です。
・それぞれ4つ折りにします。まず1ページと4ページの間、5ページと8ページの間を山折りです。
 4ページの次に5ページがくるように、5ページが表に出ているほうを中にはさみます。
・表紙をつけてホッチキスで中とじにし、重しでぺったんこにしてから、3方(上辺の紙がうまくそろっていれば2方)を化粧断裁します。

  3.4つに切ってから中とじにする場合

・上のどちらの面付けでもできます。
・夏野はついうっかり「切らずに折る場合」で面付けしてコピーしたあと、二つに切ってしまったので、結局、もう一回切ってから製本しました。
・切らずに折るより多少手間ですか印刷面のがたつきはたぶんこれがいちばん少なくてすみます。

*制作所要時間と仕上がりのきれいさは、大差ないとは思いますが、いちおう3つの方法を載せておきましたので、好きなのを使ってください。


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